※14禁です。2、3行ほど
性的表現があります。苦手な方はご注意ください。













一枚のMDを大事そうにMDウォークマンの本体に入れて
ヘッドホンを耳につけて、晴一の指が静かにリモコンの『再生』
を押した。MDウォークマンが起動し始めて、MDの再生を始める。







― 何聞いとるんじゃろ…。




ヘッドホンから流れる音は、晴一にしか聞こえない。
晴一の隣で雑誌を読んでいる昭仁にはヘッドホンから流れる音を
聞くことが出来なかった。







― いつもなら気にならんのじゃけど…。









― 今日はぶち気になる…。









いつもは晴一が音楽を聴くことに関して気にすることは何一つなかった。
でも今日は違う。何を聞いてるのか物凄く気になって、
雑誌を読む手が完全に止まってしまっている。







― …気になる…。何聞いとるん?









― 何の曲聞いてそんなに嬉しそうな顔しとるん?









何かを聞いている晴一はとても嬉しそうに微笑んでいた。



















― 晴一が音楽を聞き始めてまだ1分も経っとらんのに。
5分以上経っとる気がする。



何聞いとるんじゃろ。ワシらの曲?…ありえん。
あんな幸せそうな顔で自分達の曲聞いとるなんて変じゃろ。



何聞いとるんじゃろ。ポップス?ハードロック?
なんでそんなに幸せそうな顔して聞いとるん?
気になって雑誌も読めん。晴一の所為じゃ。


と昭仁は心の中でぼそぼそと呟いていた。







あまりにももどかしい。いつの間にか昭仁は、




「何聞いとるん?」




と晴一に尋ねていた。









晴一はリモコンの『停止』を押して、MDの再生を止め
ヘッドフォンを外した。








「ん?ヒト君、ワシが何聞いとるか気になるん?」









「…ぶち気になる。幸せになれる曲なん?」









「…ワシにとってはね。これ聞くと自然と笑顔になれるんよ。」









「…晴一、それワシも聞きたい」




晴一が幸せになれる曲。昭仁も聞いてみたかった。




「ほんまに聞きたいん?」




昭仁はこくんと頷いた。




「…聞かせてもええけど…これ曲じゃないんよ。」









「曲じゃないん?じゃあ何録音したん?ラジオ?」









「それは聞いてからのお楽しみじゃよ、お姫様♪」








そう言って、晴一は昭仁の額に小さなキスをした。
そして微笑みながら昭仁の耳にヘッドフォンをそっとつけた。









「じゃあ、再生するど?」




数分前と同じように、晴一の指がリモコンの『再生』を押した。
ピーという確認音と共にMDウォークマンが起動し始めて、MDの再生を始める。





そしてMDからヘッドフォンを伝わり昭仁の耳に入ってきたのは…。
昭仁の予想をはるかに超えるものだった。


















『んッ!…っ…あっ!あっ…はるっっ!』




甘ったるい官能的な声。昭仁の体がびくんと反応する。




『ふぁっ!!はる、…いちっっ!! も、だ…めっ、あっ…!』




この声の持ち主は勿論、昭仁である。AV女優でもなければ
風俗店で働く女性でもない。




『イっちゃうよぉ…!…あっ!!』




『ワシも限界…一緒にイこ、昭仁。』




晴一の声もしっかりと収められていた。














「ぎゃあああぁぁぁああああ!!!!!」






昭仁の悲鳴…いや絶叫が部屋中に響き渡った。
今度は晴一ではなく昭仁が『停止』を押し、MDの再生を止める。
そして、少し乱暴にヘッドフォンを外した。








「…あれ、何なんよ?」






荒い呼吸を繰り返し、昭仁は晴一に問う。




「何ってヒト君の喘…」









「黙れ、変態アヒルが!!」



と言って昭仁は先程から存在をすっかり忘れられていた雑誌を
素早く掴み、晴一の頭を雑誌で殴った。
「スパーン」という爽やかな音が部屋に響き渡る。








― そして。晴一は全てを昭仁に話すことになった。













「ほほぅ…。んじゃこのMDは一昨日ワシらがヤった時に
ワシに内緒で録音していた…と。」



昭仁はMDウォークマンから取り出した赤いMDを
右手に持ち、晴一を睨む。





「まぁ、そういう事になるのぉ…。」
雑誌で思い切り殴られた箇所を押さえながら晴一は言う。








「ったく…。このMDは没収じゃ!!」












「え゛ぇぇ?!!ワシの幸せの元なんに〜!!」




晴一が不機嫌な声で叫ぶ。









「こんなの幸せの元にすんな!!」




顔を真っ赤にした昭仁の手により、昭仁の喘ぎ声が入った
晴一の『幸せの元』はMDから削除された。
また、罰として晴一は昭仁から1週間のお預けを喰らった。







「昭仁〜…ワシ一週間も持たんよぉ…」









「アホな事する晴一が悪いんじゃろ?」




晴一にとって、お預けを喰らった一週間は
とてつもなく長い期間だったらしい。









久しぶりの晴昭小説更新です!前回の更新日とか
ヤバイですよ。8月…?真夏にアップした気が…。
本当に更新遅くてすいません…orz

「絶叫MD」、結構お気に入りです。特に題名が。
この小説の目的は勿論「微エロ・ギャグチック」でございます。
エロ(喘ぎ声)書いているときは楽しいんですが、見直した時の
刹雪は赤面でございます♪本当ですよ。

キスとか何もないです。甘いのは次回作「幸福MD」で書きますので。
変態晴一さんが書けたので結構満足しています。
では読んでくださってありがとうございました!

06.01.11 刹雪真音


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