銃声にも、もう慣れた。




俺が銃で額を撃った男は、目を開けたまま地面に倒れる。




男の額から溢れる血がスーツに付かないよう、2歩ほど下がった後に
俺はスーツのポケットから携帯を取り出して仕事(殺し)が終わったことをご報告。








「…昭仁?俺だけど。今、仕事終わった。」









俺、別所。職業は殺し屋。
因みに2時間前にも人を殺した。今日だけで7人殺してる。
多いんだか少ないんだか。ま、仕事だから殺す人数に関して文句は言えない。







俺が電話をかけた相手は、俺と同じ、坂本さんの下で働く専属ドクター。
昭仁は俺の恋人。俺は仕事が終わったら、必ず坂本さんよりも先に昭仁に報告してる。








『あ、別所さん?お疲れさまぁ〜…。今回も無傷?』




電話に出た昭仁の声が、いつもと違った。いつもよりも声がとろんとしている。









「…まぁな。…今まで寝てたのか?」









『寝とらんよぉ〜…。お酒飲んどるだけ〜。』




普段、酒なんか飲まねぇのに…。珍しい。









「今から帰るから、俺の分の酒、残しとけよ?」









『はぁ〜いっ残しとくけぇ、はよ帰ってきてな?』









「分かってるよ。」




そう言って、俺は電話を切った。ツーツーという音が変に耳に響く。
ディスプレイに通話料金が表示されたけれど、
俺はそれを無視して携帯をポケットに閉まった。


そして近くに停めておいた車に乗って、殺人現場となった場所を去った。
バックミラーには、目を開けたまま死んでいる男が小さく映っていたけど、それも完全に無視。
昭仁の声を聞いて、微笑んでしまいそうになるのを我慢して、俺はハンドルを握り、
アクセルを踏んで車を走らせる。






アクセルを踏む足は仕事前と比べて、とても軽くなっていた。














Lovely☆マイハニー
















鍵をドアノブの鍵穴にさしこんで、クルリと回して鍵を開ける。




「ただいまー…。」




そう言いながら、俺はドアを開け、家の中に入る。
するとリビングの方からぱたぱたと音をたてて、昭仁がやって来る。








「おかえりなさぁい〜っ別所さ〜ん!」




そう言って、昭仁は俺に抱きついた。









「……っ!!」




こいつ…完全に酔ってやがる…!いつもなら自分から抱きつくなんてこと、しねぇクセに…!
頬を桃色に染めた昭仁は、俺に抱きついたまま離れねぇ…。








「別所さぁ〜ん…。」




昭仁は猫みたいに俺に甘えてくる。
俺は昭仁の黒くてふわふわしている猫っ毛を撫でてやりながら



「ほら、昭仁…離れろー…。」




と言ってみたが効果ナシ。寧ろさらに強く抱きついてくる。




まぁ、こんなに昭仁が積極的なのは、かなり珍しいことだし、
「酒に酔った積極的な昭仁」をたっぷり味わっておくか。酒はいつでも飲めるし。








「ねぇ、別所さぁーん……。」




甘ったるい声で昭仁は俺の名前を呼ぶ。









「あのなぁ〜…わし、別所さんの分のお酒、飲んじゃったんよぉ…。」




再び甘ったるい声を出して、俺に謝罪。これだけ酔ってるから、
ある程度のこと(酒が1本しかねぇとか)は予想してたのだけれど…。








「(まさか全部飲んでるなんて思わなかった…。)」









「ごめんなさぁい…。」




丸くて大きな目に溢れるくらいたくさんの涙を溜めて、昭仁は俺の目を見る。
俺と昭仁には8cmくらいの身長差があるから、昭仁がお互い立ったまま俺の目を見るとなると、
昭仁は上目使いになる。ヤバイ。すっげー可愛い。
そこら辺の女とは比べものにならないくらい。






「怒っとる…?」









「怒ってねぇよ。酒なんか買えばいつでも飲めんだろ。」




そう言って、俺は昭仁の目に溜った涙を舐めてやった。
もし他のヤツが酒を飲み尽してたら、即効で殺るけど、昭仁は特別。








「…ひゃぁっ…くすぐったい……。」




酒で桃色に染まった頬が今度は赤色に染まっていく。
俺は昭仁の涙を全て舐めとった。








「誘ってんのか…?」




と言うと、昭仁は俺の首に腕を絡めて来て




「誘っとらんよぉ…。」と言う。









マジで可愛い。誘ってるようにしか見えない。
俺は顔を真っ赤にしている昭仁の唇にキスをした。僅かに甘い酒の味がする。
昭仁の舌に自分の舌を絡めたり、歯列をなぞったりして、昭仁とのキスを味わう。







唇を離してやると、俺の口と昭仁の口を銀の糸が繋いだ。
昭仁の頬…というよりも顔全体は真っ赤になっていた。
見ると、昭仁の足がガクガクと震えている。







「キスで腰抜けたのか?」




笑いながら言うと、昭仁はコクコクと頷いた。









…素直だな。俺は昭仁を抱き上げて、部屋のドアを開ける。
勿論開けたのは寝室のドア。俺にも限界ってモノがあるし、
積極的な昭仁をしっかりと味わっておかないとな。







たっぷり可愛がってやるからな。お姫サマ。
その後、寝室に俺だけのお姫サマの甘い声が響き渡ったっていうのは、別の話。







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初・別昭小説です。別所さんというのを主張(?)したかったので、
一人称で書いたのと、お仕事の場面を書いたのが私的ポイントです☆(笑)

穂高様のリクに一部答えることができず、本当にすいません…。
次の別昭小説では、答えられなかったリクに答えたいと思います!

では、ここまで読んでくださり、ありがとうございました♪
06.06.26 刹雪真音
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